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恋は盲目
第1章 私の片想い
私は目をぎゅっとつむった。
すると慶太は私の右手をとって、
「俺を見て。俺はあんりが好きだよ。」
涙がこぼれた。
悲しくて。
こんなに真剣に思いを伝えてくれているのに応えられない。
「ぅ・・・ごめん・・・・・。」
絞り出すように、一言だけ言った。
「俺じゃダメ?」
私は何も言えずただ首を縦に動かした。
「そんなにそいつが良いのか…」
少し下がったトーンで慶太は呟いた。
繋がれた右手が痛い。
でも慶太の手から汗がにじんでいる。
沈黙が重い。
こんなことは初めてでどうして良いかわからない。
告白してダメなら「そっか」で去っていった今までのメンズと違う。
とりあえず離れようと顔をあげた瞬間、
慶太が繋いでいる手はそのままで、もう片方の手で私を抱きしめた。