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恋は盲目
第3章 宵花火
—————今日は告白されてから1週間後の土曜日。
総司君が地元の花火大会に誘ってくれた。
それはそれは嬉しくって、今日は朝から緊張と興奮で忙しい。
夕方に迎えに来てくれるというので、私は姉に頼んで浴衣を着付けてもらう。
「浴衣って気合入れすぎ?引いちゃうかな?」
着付けをしてもらいながら姉に相談する。
「何言ってんの!むしろ喜ぶでしょ。大丈夫!」
今日は特別うすーくお化粧もしてもらう。
どうかな、可愛いかな?本当に引かないかな?
準備が完了してもソワソワして落ち着かなかった。
ブーブーブー
総司君から電話だ。
家を飛び出して総司君のもとへ飛んでいく。
「そ、うじくん・・・!」
緊張でたどたどしくなる。
総司君が振り返り、私を見る。
「・・・・・・・・わ。」
驚いてる?引いてる?どういう反応??
総司君の二言目を待っていると、
「・・・・・・行こっか。」
ガクッ!
結局の所どうなの!?
「ん、乗って。」
総司君がペダルに足をかける。
「横向きになるけどバランスとか大丈夫?」
「問題ないよ。」
荷台に横向きに乗る。
手を、どうしたらいいのかわからないのでとりあえず荷台の前のスペースを掴む。
「危ないから。」
そう言って総司君が私の手を掴んで前に回させる。
この体勢、心臓の音が聞こえちゃう。
「じゃ、動くよ。」
そう言って自転車を走らせた。
シャーッとぐんぐんスピードが乗ってくる。
でも段差があればスピードを落として衝撃を最小限にしてくれる。
こんな心遣いがたまらなく好き。