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天使さまっ!
第14章 続編 天国へと続く恋
ゆりえさんの話を聞いていたのかいないのか、エリン先生はズイっとゆりえさんに歩み寄りその額、前頭葉の辺りに掌を充てました。
「エリン先生っ?」
途端に顔を赤くしたゆりえさんは、エリン先生の行動が理解出来ずただただ驚くばかり。エリン先生は淡々とした声でため息混じりに言います。
「僕とした約束は覚えてますか」
「え?」
ゆりえさんはオドオドと目を泳がせてから、困り顔です。
「……ごめんなさい、覚えて、ないです」
「だよね。退院の日、『ゆびきりげんまん』をしたんですよ。ずっと病室しか知らなかったゆりえちゃんの鳥籠は僕が開いてあげたから。『外の世界をいっぱい楽しもう』っていう約束を」
退院の日。はしゃいでいた無垢な少女がたてた誓いは、あまりにも現状に反して酷に聞こえました。ゆりえさんの表情がまた歪みだし、グズグズと鼻を鳴らします。
「だって、だって……」