この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天使さまっ!
第14章 続編 天国へと続く恋
長い闘病生活をしてきたゆりえさんにとって、常に誰かに助けてもらえる環境こそが普通であり、一般の学校生活のすべてが衝撃の連続で。必死に追い付こうと足掻いても空回りばかりでいつまでも馴染めず。友達が出来てもすぐに離れていってしまう。憧れていた普通は、自分には入って行けない世界のようで。だから逃げてしまった。最初はただの登校拒否。そして鬱病になり、いつしか傷を刻むことで安心を得るようになってしまった。
「楽しいことなんて、何もなかった!病院にいた時のほうがずっと幸せだった!」
「だから約束したんだ。違う環境に適応していくには努力が必要なんだよ」
「努力したもん!いっぱい勉強だってしたし、でもっ」
「楽しんだかい」
静かに怒っているエリン先生に、ゆりえさんは子どもみたいにただ泣いていた。たぶん努力をしすぎてずっと苦しんで。エリン先生のいう『楽しむ』ことは誰かが与えてくれるのをただ待っていたから。