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天使さまっ!
第14章 続編 天国へと続く恋
不意にこっちを振り返ったゆりえさんは、ニンマリと笑いました。
「?」
「このあいだ、婦長さんに『院内結婚式やらないんですか?』って聞いてきたんです」
「えええっ?!」
エリン先生はゆりえさんの言葉に仰天です。
まだ実際には結婚出来ないため挙式の予定がない私たちを気遣ってくれたのでしょう。後日私たちを祝福して病院関係者や患者さんたちが大勢集まって、盛大な式を催してくれたのです。
エリン先生のファンの皆様には大変申し訳なく、大泣きしている人や叫んでいる人もいましたが、ゆりえさんなどが上手く宥めたり慰めたりしてくれていました。
次に多かったのは、私たちの関係にまったく気付かず意外だったと驚く人々。……やっぱり年齢差ですかね。
「……あ。私は知ってた、かも……」
華也さんが呟くと周りの患者さんたちがその話に食付きます。
「いや、だってあの二人診察室で」
「シーっ!華也ちゃん!!」
なにはともあれ、病院は大賑わいです。
「天使先生の子どもかぁ。楽しみだねぇ」
患者のおじいちゃんたちがしみじみと呟き、お腹の赤ちゃんに手を合わせてお祈りを始めてしまいました。
「どうか無事に産まれておいで。みんな待ってるから」
「大事にせんとねぇ。また元気をたくさんもらってありがたい」
何だかこっちまでありがたくなります。気持ちってきっと、人から人へ伝わって、広がっていくものなんですね。
お腹の赤ちゃん。
あなたにも、
この気持ち、
伝わっているかな?
続編 / 天国へと続く恋
《終り》