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天使さまっ!
第14章 続編 天国へと続く恋

***


「やだー。どおして知ってるんですか、ゆりが抗鬱剤飲んだときいつもエリン先生のこと考えながらえっちなことしてたなんてーっ」


ゆりえさんは顔を真っ赤にしながら、落ちつきなく丸イスをクルクル回転させて回りました。


「……いや、僕が言ったのは薬の副作用の話で、君が何をしてたかについては聞いてないし」

「いやぁ!言っちゃった!」


賑やかな診察室はほぼ毎日通ってくるゆりえさんに占領されつつあります。

とりあえずだいぶ明るくなってきたようなので、それはそれでいいのですが。


「腕の傷跡、整形してあげようか?」

「……ううん、もう少しこれ見て反省する。ちゃんと反省できたらその時お願いします」

「そっか」


ゆりえさんもだいぶ考え方がしっかりしてきたみたいだから、もう自殺なんてきっとしないでいてくれますよね。


「し、か、こ、さぁ~ん」


私にもすっかり心を開いてなついてくれて、今では何だか妹みたい。


「お腹ちょっと目立ってきましたね、いいないいな。今何ヶ月ですかぁ?」

「4ヶ月くらいかな?」


私はぽっこりしてきた下腹部を撫でました。


「て、ことはぁ……」

「逆算しない!」

「きゃん」


エリン先生がカルテでゆりえさんの頭を叩きました。いい音しましたが大丈夫でしょうか。


「私もエリン先生みたいな素敵な彼氏早くみつけて、赤ちゃんほしーなぁ」

「はは、は……」


本来はタフで能天気な子のようです。エリン先生に失恋した現実にも前向きに立ち向かうんだから相当の強者ではないでしょうか。


「私も看護師さんになろうと思って。また勉強頑張ってるんです、今度は楽しみながら」

「へー。それは凄い嬉しいね」

「エリン先生に恩返ししたいし」

「お母さんにも、だよ」

「はぁい」


そんな二人のやり取りに、何だかまるで自分がお母さんみたいな気持ちになって思わず涙ぐんでしまいました。


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