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天使さまっ!
第18章 余談:恋の病と白衣の天使
一瞬ピクリと動きを止めたエリン先生が、真面目な顔で何かブツブツ独り言を言いました。
「?」
私また何か言っちゃったのでしょうか。さてはて。ストライクゾーンをぶち抜くがどうとか聞こえた気がしますが何のことやら。
「世界で唯一、治療を必要としない病があって。僕はおそらくそれを生涯抱えていくんだと思うんです」
「先生、病気なんですか?」
「そうですよ、責任とってくださいねっ!」
「…………。 ん?」
エリン先生はため息をついて、撮影会を再開してしまいました。でもせっかくの全裸の天使にデジカメは似合いません。むしろアレはエリン先生を撮影すべきですが、それをすると確実に犯罪になるんだろうなぁとか、私はボンヤリ思っていました。
「普通はこんなえっちな恰好で写真撮られる人は、もっと意識しちゃうと思うんだけど。しかこさん、何でめちゃめちゃ自然体?」
エリン先生のデジカメのモニターにはどこかぼんやりした私が映ってました。自分の全裸をまったく意識してなかったエリン先生に言われたくありません。
「色気もなくてすいません」
「え、逆だよ。自然な感じがすごくキレイ」
天使に見とれてたのだから、仕方ありません。恋の矢が刺さってて目がそらせないのです。