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天使さまっ!
第19章 センチメンタルジャーニー


婦長の計らいで、私は病院に寝泊まり。少しでも先生のそばにいたかったし、一人になるのは怖かった。

やがて集中治療室から移動になって来たエリン先生は、意識不明のまま、真っ白な包帯で頭部、胸部、手足を覆われていて、いくつもの点滴と人工呼吸器、――その体がたくさんの管に繋がれていた。モニタリングしている心臓の動きが、弱々しい機械音で生命活動を告げる。


「一通りの処置はしたから、あとは彼の生命力次第。容態がいつ変わるかわからないから、あなたがついていてあげて」


淡々と指示を出して病室を去る婦長の後ろ姿を見送って、部屋に私と先生だけが取り残される。じわり、と実感が込み上げてまた泣きそうになった。慌てて目元を擦って、包帯の巻かれていないほうの手にそっと触れてみた。


「先生、起きて」


冷たい血色の悪い指をゆっくり撫でながら動かす。何日も動かないまま筋力が弱っていくのは見たくない。

ぐずぐずと鼻をならしながら、話し続ける。


「心も体もあちこち痛いの。いつもみたいに大丈夫って言って」


本当は死んじゃいたいって思ってる。辛くて苦しくてどうしようもない。


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