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天使さまっ!
第19章 センチメンタルジャーニー
カーテンで体を隠したままエリン先生のところまで行く私は怪しいです。クルンと背を向けてエリン先生のベッドに座ると、エリン先生は絶句しているのかかなりのフリーズ。恥ずかしさマックス。
「先生、早く結んでください」
耳まで真っ赤になりながら私が言うと、エリン先生がハッと息を飲む気配がありました。
「これ着てどこに行くんですか」
明らかにうろたえた声です。
「いきませんっ。こんな恰好、エリン先生以外……っ」
私も上手く返事ができません。早く思い出してくれないと恥ずか死に、再びです。
単に恥ずかしくて泣きそう。いっぱいいっぱいで頑張っていると、微かに背中にエリン先生の指先が触れました。リボン結んでいるんでしょうか。と思ったの束の間。なんと先生は私の背中をつつつ、となぞってきたのです。
「きゃ、」
のけぞった私に、耳元でエリン先生の息が。エリン先生が記憶をなくしてるこんなときにドキドキしてしまうなんて私は不謹慎です、けど。
「ね」
拗ねた感じの呟きでエリン先生が後ろで言います。
「思い出せないのにアレだけど、記憶とかより今は感情優先してもいい?」
「か、んじょう?」
「スキ。触りたいキスしたい抱き締めたい」
私の背中にトンと頭をもたれさせて吐き出すようにエリン先生が。好きって言ってくれた。
「こんな気持ち、おかしいよね」
とうとう私の涙腺は決壊してしまいました。掴んでいたカーテンも忘れて先生に向き直りそっと口づけすると、あったかいエリン先生の体温に心が落ち着きました。
「私もずっとキスしたかったです」