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天使さまっ!
第3章 天使さまの実情
『――息をしています』
『え?』
「僕が目を開けた目の前で、その子は小さな胸を微かに上下させてました」
「……え?」
私は目を白黒させて、頭の中を整理しながら必死に話の続きを聞き、あやふやな気持ちを追いやりながら、驚きを隠せなかった。
「僕はすぐにその子の手術をさせてもらい、その子は元気になって退院していったのですが」
そこまで言ってから、急にエリン先生は表情を曇らせて、泣きそうな顔になっていったの。
「僕はその手術を終えたあと、しばらく寝込んでしまって。以来、死をさけるように言われました。
僕が
死者さえ
蘇生させれるなら、
それは向き合うべきですよね」
泣きそうな顔のまま私を見上げる瞳が、必死にみつめてくるけれど、
「なにを、言って、る、の?」
理解ができない。