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天使さまっ!
第4章 私の事情
今日も院内の散歩をしながら、出会う患者さんたちとお喋りをして、誰もいないと私とお喋りをして。一日中喋っていて疲れないのかなぁ。
エリン先生は謎だけど、院内のたくさんのことを丁寧に教えてくれるし、やっぱり普通の子どもとは違う。
「エリン先生って学校とかどうされてるんです?」
「学校?僕、学校には行ったことありません」
どこに行った、義務教育!
と私が唖然としていると、クルクルと可愛い表情でエリン先生は事も無げに続ける。
「でも院内の入院中の患者さんの中には、僕と同じ、学校行ってない子がたくさんいますからね。あまり特別なことには思いません」
そうかー。って、
学校に行けないのと、学校に行かないのとではだいぶ違うと思うんだけど……。
「僕、日本国籍じゃないから、たぶん大丈夫だと思います」
「……え、日本国籍じゃないんですか?」
びっくり仰天、こんなに流暢な日本語をペラペラ喋るのだからどう見ても日本国籍ぽいのに。