この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天使さまっ!
第6章 私、不感症ですかっ……?
一応、院内にはエリン先生の部屋もある。何科にも属さないため、一番端っこにひっそりとある診察室は他の騒音から遠く落ち着いた場所だった。
「いつか活用したいんですけど。ついつい院内散歩ばかりしてしまうんですよね」
「入院患者さんたちはエリン先生に会うと皆さん喜びますからね」
喘息の発作もエリン先生が行けば治まるんだなんて言ってる患者さんもいた。皆、先生を信頼しているのが今ならよくわかる。
「さてさて。それじゃあカウンセリングを始めましょうか」
ニッコリと言われ、私は辺りをキョロキョロしてしまった。患者さんの姿は見えない。
「しかこさんのカウンセリングですよ?」
「えっ!?」
「だって。もう僕のこと、子ども扱いしないでしょ?」
私は再び赤面。色んな意味で恥ずかしい。
「先生が立派な医師なのは、よぉくわかりました。長いこと大変失礼いたしました」
「いいのいいの。それより早く続きを教えてよぅ。何が恥ずかしいの?」
穴を掘ってもいいですか。今すごくもぐりたいんです。穴があったら~なんて悠長な気分じゃないんです。