この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天使さまっ!
第12章 続編 ワザワイはワスレタコロに
トイレ内は突然にドカンという爆発的な音がして、私もコウヤもビクリと飛び上がりそうだった。物凄い音だったの。それは扉。扉に何かが勢いよくぶつかった衝撃なのか錠が弾みで外れたのを見た私と、慌てて振り返るコウヤ。その向こうで扉がスーっと横にスライドして開く。
「前から思っていたんですよねぇ。ここのトイレの鍵ってちょうど僕の蹴るぐらいの高さだなぁ、って。……やっぱり開くんですねぇ、」
だってそれは車椅子の人が楽に開け閉め出来る高さで、通常の鍵の位置よりも低い。
そこを目掛けてドアを蹴ったのは、大人の男の人の半分くらいの背丈の――
不機嫌に、ゆっくりと。
コウヤを見上げたエリン先生。
慌てて着衣の乱れを直しつつ、本当に助けに来てくれたことにジンとしちゃう。
「なんだよ、このガキ……っ!」
まさか白衣のこどもがお医者様だなんて思いもしないコウヤは、動揺した声でただただ茫然とエリン先生を見ていた。でもコウヤの持つナイフにエリン先生はさらに不機嫌に目を細めたの。
「銃刀法違反ですね。」
「あっち行ってろガキ!」