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天使さまっ!
第12章 続編 ワザワイはワスレタコロに
「アレかな、恐喝罪。しかこさん、なんて脅されました?」
「え?えと……たしか、おとなしくしてれば怪我はしないとか」
「あと婦女暴行罪?」
一歩。エリン先生がトイレの中へ踏み込むとコウヤは私の方へ下がる。
「なんだ。こども相手にビビっちゃうんだ。刃物を持っても弱いんだね」
ニッコリと。でも目が据わっているエリン先生に言われて、コウヤは逆上した。
みるみるうちに耳まで真っ赤にして怒りを露に震えている。
「……ぶっころすぞ!」
「殺人未遂、追加。殺意アリ、は罪も重くなるよ、――でもね」
私がガタガタ震えて怯えてるのに、エリン先生はまったくコウヤを恐れてはなくて。涼しい険しい顔はやっぱり天使そのもの。
断罪、そんな言葉が浮かんだ。
コウヤもきっと、人ならざる高貴な気迫に圧され、だから足がすくんでいるんだろう。軽い気持ちで考えなしに動いたいつもの自分勝手は、途方もなく多くの罪状に値して。
そして、天は裁きを下すの。
「しかこさんを泣かせた罪は
どんな罪より僕には重いんだ。
もう二度と悪さが出来ないよう特別に、ロボトミー手術をしてあげようか」
あ、違った。
悪魔でした。