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鞭を求める女
第1章 鞭打たれたい
 椅子は機械仕掛けらしく、頭が徐々に下げられ、そして拘束された脚は大股開きにさせられた。
 その内ももにバチッと鋭い鞭で殴られたような衝撃があった。
「痛い!」
「痛いだろ、これでも電流を半分に抑えてるんだ。すぐに死なないような」
 バチッ! バチッ! バチッ!
 三連発で。
 ……キャァアアァ……
 すぐには声も出せない痛み!
「さて、最高電力にしたら、どれほど痛いかな」
 仮面を被った女は私の目の前でスタンガンを放電して見せた。
 恐ろしい光が電極の間をうねっていた。
「すぐには殺さないよ。まずは足の指で試してみるよ」
 左足の親指に激痛!
 まるで爪をいきなり剥がれたような!
 ギャァアアァアア!
「この拷問に耐えられるスパイはいないらしいよ。もっともお前の場合、拷問じゃなく、単になぶり殺されるだけだけどね」
 女や男たちの笑い声が起きた。
「さて、次はどこに当てようか」
 クリトリス!
 の声が上がった。
「それは最後だろ。最初にいちばん敏感な部分を焼き焦がしてどうする。敏感な部分には、まずこれだろ」
 女は電動のヴァイブを取りだした。
 そして有無を言わさず、いきなり私の股ぐらに押し当てた。
 体が跳ね返るほどの衝撃と、感覚に、叫び声が上がった。
 キャアアアァアア……
 ダメだ。
 イク。
 イッテしまう。
 イッタ、イッタ、イッタ!
「止めて、ヴァイブを止めて、死んじゃう、死んじゃう!」
「死ねよ、ほら。死ね、今死んだら楽だぞ」
 イク、イク、イク……
 体が勝手にイク。
 快楽でも何でもない、拷問だ。
「こいつ、何分で死ぬと思う?」
「10分!」
「15分!」
 男たち女たちの笑い声を薄れ行く意識のどこかで聞いた。
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