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鞭を求める女
第1章 鞭打たれたい
 次はもっと恐ろしかった。
 産科の大股開きの椅子に拘束された全裸の女のヴァギナに、男が手をそのまま突っ込んだ。
 けたたましい叫びが起こった。
 けれど、すぐにくぐもったうめき声に変わった。
「ヘルプミー、ヘルプミー」
 女の子、と呼んで良いような若い女は苦しそうに泣いた。
 女の子の体内を自由自在に動かしているらしい男の手が、お腹の動きから見て取れた。
 女の子をひとしきり泣きわめかすと、男は手を引き抜いた。
 男の手は肘まで血塗られていた。
 次はもっと大柄の男が手を入れた。
「ヘルプミー!」
 どこまで残酷なら、この可愛い女の子にこんな仕打ちが出来るのだろう。
 そう思うような映像だった。
 男はニヤニヤ笑いながら肘まで入れ、そして一気に引き抜いた。
 手には内臓が握られていた。
 ヴァギナから腸を引き出したのだった。
 私は吐いた。
 さらに男は体内を掻き回し、肝臓を引き出した。
 それでも女の子は生きて、
「ヘルプミー……」を繰り返していた。
 ナイフで乳房が切り落とされ、耳と鼻を削がれ、口を切り裂かれ歯を抜かれ、目玉をくりぬかれて、女の子はやっと絶命した。
 もう人間の顔ではなかった。
 私は吐きに吐いて、やっと自分が全裸だと言うことに気付いた。
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