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狂い咲く花
第13章 二、美女桜 - 家族の和合
先ほどの会話から、入るのを渋る。
いったい、葉月の母親がどうなっているのか、どういう状況なのか、そうなった理由を考えて足がすくんでしまう。
だけれど、春日兄に背中を優しく押されて、一歩部屋の中に入った。
部屋の中は薄暗く、中央にある布団の上に葉月の母親が座っていた。
最後に会って一年半ぐらいなのに、あまりの変わりように掛ける言葉を失い、いつも元気でニコニコ笑っていた面影はなく、痩せこけて青白い顔をしていた。
「母さん。美弥だよ。母さんが好きだった美弥が葉月の子供の蘭子を連れて会いに来てくれたよ」
「美弥ちゃん?」
春日兄の言葉に少しだけ反応する。
視点を合わせようとするかのように目だけをキョロキョロさせて美弥を捉える。
「おば…さま…?」
美弥もやっと声をかけることができた。
その声が葉月の母親に届き、現実に引き戻されるのが分かる。
言葉にならいかわりに、目からは涙が溢れ流れ出した。
嗚咽を上げながら美弥の手を握りしめて泣き続けた。
「美弥ちゃん…本当にごめんなさい…葉月のしたこと…私たちが許してしまった事…全て美弥ちゃんを苦しめるだけなのに…私たちは自分の子供たちのために酷い選択をしてしまった…死んで詫びても詫びきれるものでもないのは分かってる、だけど…」
いったい、葉月の母親がどうなっているのか、どういう状況なのか、そうなった理由を考えて足がすくんでしまう。
だけれど、春日兄に背中を優しく押されて、一歩部屋の中に入った。
部屋の中は薄暗く、中央にある布団の上に葉月の母親が座っていた。
最後に会って一年半ぐらいなのに、あまりの変わりように掛ける言葉を失い、いつも元気でニコニコ笑っていた面影はなく、痩せこけて青白い顔をしていた。
「母さん。美弥だよ。母さんが好きだった美弥が葉月の子供の蘭子を連れて会いに来てくれたよ」
「美弥ちゃん?」
春日兄の言葉に少しだけ反応する。
視点を合わせようとするかのように目だけをキョロキョロさせて美弥を捉える。
「おば…さま…?」
美弥もやっと声をかけることができた。
その声が葉月の母親に届き、現実に引き戻されるのが分かる。
言葉にならいかわりに、目からは涙が溢れ流れ出した。
嗚咽を上げながら美弥の手を握りしめて泣き続けた。
「美弥ちゃん…本当にごめんなさい…葉月のしたこと…私たちが許してしまった事…全て美弥ちゃんを苦しめるだけなのに…私たちは自分の子供たちのために酷い選択をしてしまった…死んで詫びても詫びきれるものでもないのは分かってる、だけど…」