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狂い咲く花
第13章 二、美女桜 - 家族の和合
豊田家に久しぶりに明るい笑い声が広がっていく。
話しに夢中になってついつい長居をしてしまった美弥は、完全に暗くなる前に帰ろうと帰り支度を始めた。
寂しそうにする豊田家の人たちに、また来ることを約束して腰を上げた時だった。
「父さん?母さん?」
店先の方から葉月の声が聞こえてきた。
誰もいない店からこちらに歩いてくるのが足音で分かれば、蘭子がヨチヨチ歩きをしながら廊下の方に顔をだした。
「きゃっ!きゃっ!」
葉月を見つけ、嬉しそうに声を出して笑う。
早く抱きしめられたいのか、おぼつかない足で前に前にと歩き出した。
そんな蘭子を大きな手が差し出されてあっという間に宙に浮き、葉月の腕の中へ吸い込まれていった。
「じーちゃん、ばーちゃんに会えたか?蘭子」
蘭子に頬ずりをしながらみんながいる部屋へと入ってきた。
布団の上に座っている自分の母親の姿の変わりように驚いていた。
葉月もまた、自分の母親と会うのは1年ぶりに近かく疎遠になっていた。
「母さん…」
何も言えない葉月が口に出せたのはそれだけだった。
余りにも変わっている母親の姿に悲しさがこみあげてきて、何も知らずに暮らしていた自分を恥じていた。
「美弥ちゃんと蘭子を迎えにきたのか?」
春日兄が自分の横に座れといいながら声をかる。
「うん…家に帰ったらまだ帰ってないって言うし…荷物もあるだろうから迎えにいってやれって、向こうのお父さんが言ってくれて…」
話しに夢中になってついつい長居をしてしまった美弥は、完全に暗くなる前に帰ろうと帰り支度を始めた。
寂しそうにする豊田家の人たちに、また来ることを約束して腰を上げた時だった。
「父さん?母さん?」
店先の方から葉月の声が聞こえてきた。
誰もいない店からこちらに歩いてくるのが足音で分かれば、蘭子がヨチヨチ歩きをしながら廊下の方に顔をだした。
「きゃっ!きゃっ!」
葉月を見つけ、嬉しそうに声を出して笑う。
早く抱きしめられたいのか、おぼつかない足で前に前にと歩き出した。
そんな蘭子を大きな手が差し出されてあっという間に宙に浮き、葉月の腕の中へ吸い込まれていった。
「じーちゃん、ばーちゃんに会えたか?蘭子」
蘭子に頬ずりをしながらみんながいる部屋へと入ってきた。
布団の上に座っている自分の母親の姿の変わりように驚いていた。
葉月もまた、自分の母親と会うのは1年ぶりに近かく疎遠になっていた。
「母さん…」
何も言えない葉月が口に出せたのはそれだけだった。
余りにも変わっている母親の姿に悲しさがこみあげてきて、何も知らずに暮らしていた自分を恥じていた。
「美弥ちゃんと蘭子を迎えにきたのか?」
春日兄が自分の横に座れといいながら声をかる。
「うん…家に帰ったらまだ帰ってないって言うし…荷物もあるだろうから迎えにいってやれって、向こうのお父さんが言ってくれて…」