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狂い咲く花
第14章 二、銀葉アカシア - 秘密の恋
「触ってくれない?」

その意味を確かめようとオウム返しをしてしまう。

「うん…口づけもしてくれない…抱きしめてもくれない…」

寂しそうに話す麻耶。

「ねぇ、…僕としたこともやってくれないの…?」

麻耶と葉月が結婚する前に、口づけを交わしたこと、それ以上のことをした時のことを思い出す。
麻耶は何も言わずに頷くだけ。

「一度も?」

「うん…麻耶がしてって言ってもしてくれない…なんで?」

子供が生まれても、そういうことに疎い麻耶は南和に聞くしかなった。
だけど、相手が悪いことに気が付いていない。
麻耶は南和の気持ちに気が付いてさえいなかった。

「麻耶は…したいの?」

その言葉に麻耶は素直に頷く。
麻耶の言葉に南和の喉がゴクリとなる

「僕が…してあげようか?」

ドキドキしながら告げると、麻耶の顔が華やいだ。

「南和がしてくれるの??気持ち良いことしたい!!鬼にみつからないのは得意だよ」

うれしそうに話す麻耶を見て心が躍った。
2人が結婚して、二度とこおいう機会はこないだろうと諦めていた。
少なからず、南和は麻耶に好意を寄せていた。
葉月が美弥に好意を持つように、南和も麻耶に淡い恋心を抱いていた。
それは、葉月と麻耶が結婚してからも消えることはなかった。
だから、この家には近づかないようにしていた。

「じゃあ…こっちに来て、鬼にみつからないようにね」

麻耶の手を取って、外から見えない場所に誘導する。
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