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狂い咲く花
第3章 一、昇り藤 - いつも幸せ
「姉様!寒いよ――」
服に付いた雪を葉月に払ってもらいながらあがってくる麻耶は、余りの寒さに泣きそうになっていた。
「もう、だから言ったのに!ほらっ早くこっちにいらっしゃい」
火鉢前の席を譲って2人を招き入れる。
2人は火鉢に駆け寄って暖を取るが、開け放たれたそこからの冷気で部屋の温度は一気に下がった。
美弥は慌てて隣の部屋から厚手の毛布を2枚持ってきて二人の肩からかけお茶を勧めた。
毛布の温もりとお茶の温かさで徐々に2人の震えはおさまってきた。
「美弥も寒いだろう??入れよ」
葉月が自分の毛布の中に美弥を誘う。
だけど麻耶がいるのにそんなことはできなかった。
「ずる~い。麻耶がそっちに入る。姉様これあげる」
自分の毛布を美弥に投げ渡し、葉月の毛布の中にもぐりこんだ。
膝の上に乗り後ろから抱きしめられる形で麻耶を毛布で包み込む。
その様子を目の当たりにすれば、さすがにチクリと何かが胸に刺さった気がした。
子供っぽい妹に嫉妬するはずがないと分かっていても、抱きしめられている麻耶を見て何も思わないはずがなかった。
服に付いた雪を葉月に払ってもらいながらあがってくる麻耶は、余りの寒さに泣きそうになっていた。
「もう、だから言ったのに!ほらっ早くこっちにいらっしゃい」
火鉢前の席を譲って2人を招き入れる。
2人は火鉢に駆け寄って暖を取るが、開け放たれたそこからの冷気で部屋の温度は一気に下がった。
美弥は慌てて隣の部屋から厚手の毛布を2枚持ってきて二人の肩からかけお茶を勧めた。
毛布の温もりとお茶の温かさで徐々に2人の震えはおさまってきた。
「美弥も寒いだろう??入れよ」
葉月が自分の毛布の中に美弥を誘う。
だけど麻耶がいるのにそんなことはできなかった。
「ずる~い。麻耶がそっちに入る。姉様これあげる」
自分の毛布を美弥に投げ渡し、葉月の毛布の中にもぐりこんだ。
膝の上に乗り後ろから抱きしめられる形で麻耶を毛布で包み込む。
その様子を目の当たりにすれば、さすがにチクリと何かが胸に刺さった気がした。
子供っぽい妹に嫉妬するはずがないと分かっていても、抱きしめられている麻耶を見て何も思わないはずがなかった。