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狂い咲く花
第16章 二、風車 - 策略
───…
「最近元気ないけど…どこか調子悪い?」
蘭子が眠ったあと、あまり話さなくなった麻耶を心配して葉月は声を掛けてみる。
南和と会わなくなって7日。
毎日のように交わっていた身体は人の暖かさと快楽を欲しがり、それを葉月に悟られまいとすれば自然と言葉数も減っていた。
明日、南和との約束の日だというのに身体はもう限界で、誰かに触って欲しくて誰かに愛されたくて南和との約束を破ってしまう。
「ねぇ…葉月…麻耶のこと好き?愛してる?」
麻耶は、南和に教えてもらった『男はこうされるとうれしい』という行動、四つん這いになり葉月のところまで行って、見上げるように聞く。
その表情に葉月の心はドキリと波打つ。
そこには今までの少女だったあどけない表情はない。
妖艶に色香がただよう怪しさを醸し出していた。
「ねぇ。愛してる?」
「…あぁ…愛…」
麻耶の言葉に誘われるように『愛している』と言いそうになる。
「…す…好きだよ…麻耶」
『愛してる』だけは誰にも言わないと誓った葉月は、違う言葉を投げかける。
「だったら…して?」
胡坐をかいている葉月の上に両手をつきながら顔を近づけていく。
唇が触れるか触れないかの距離で麻耶は妖艶に誘う。
「葉月、抱いて」
その言葉に表情に惹かれて、自然と唇が重なりあいそうになる。
少し触れた瞬間に、葉月は力強く麻耶を抱きしめた。