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狂い咲く花
第16章 二、風車 - 策略
麻耶も葉月の身体に腕を回して抱きつく。
「葉月…愛してる…葉月に抱いてほしい…愛してほしいの」
何度も繰り返す麻耶の言葉に、自然と涙が零れてくる。
どんなに求められてもそれを受け入れることはできなかった。
愛しいと思っても、それは無理な願いだった。
「…ごめん…」
「どうして?麻耶の事嫌いなの?」
あどけない顔を見せながらなぜと問いただしてくる。
だけど、本当のことは言えないと頑なに口を閉ざす。
抱いてくれない葉月に次第に苛立ちを露にしていく麻耶は声を荒げる。
「ねぇ。どうして?もう麻耶の事好きじゃないの?愛してないの?ねぇ…葉月…葉月…もう麻耶はいらない子なの?…いなくなっちゃえばいい子なの?」
「麻耶…」
「ねぇ。どうして?どうして!!」
必死に懇願してくる姿を見て、葉月の心は熱くなる。
今も昔も変わらず、必死に葉月を求めてきてくる麻耶の姿に、身籠りながらも夜遅くに会いに来てくれた日の事を思い出す。
あの時に、守ると決めた。
あの時に、愛していこうと決めた。
それと同時に、誰とも身体を重ねることをしないと誓った。
自分が犯してしまった罪への罰として…そう誓った。
それは麻耶とて例外ではない。
「…麻耶…俺は……病気なんだよ…」
苦し紛れに嘘つく。
麻耶を傷つけないように嘘をつく。
「葉月…愛してる…葉月に抱いてほしい…愛してほしいの」
何度も繰り返す麻耶の言葉に、自然と涙が零れてくる。
どんなに求められてもそれを受け入れることはできなかった。
愛しいと思っても、それは無理な願いだった。
「…ごめん…」
「どうして?麻耶の事嫌いなの?」
あどけない顔を見せながらなぜと問いただしてくる。
だけど、本当のことは言えないと頑なに口を閉ざす。
抱いてくれない葉月に次第に苛立ちを露にしていく麻耶は声を荒げる。
「ねぇ。どうして?もう麻耶の事好きじゃないの?愛してないの?ねぇ…葉月…葉月…もう麻耶はいらない子なの?…いなくなっちゃえばいい子なの?」
「麻耶…」
「ねぇ。どうして?どうして!!」
必死に懇願してくる姿を見て、葉月の心は熱くなる。
今も昔も変わらず、必死に葉月を求めてきてくる麻耶の姿に、身籠りながらも夜遅くに会いに来てくれた日の事を思い出す。
あの時に、守ると決めた。
あの時に、愛していこうと決めた。
それと同時に、誰とも身体を重ねることをしないと誓った。
自分が犯してしまった罪への罰として…そう誓った。
それは麻耶とて例外ではない。
「…麻耶…俺は……病気なんだよ…」
苦し紛れに嘘つく。
麻耶を傷つけないように嘘をつく。