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狂い咲く花
第16章 二、風車 - 策略
荒々しく、麻耶を床に押し倒して、胸を痛い程揉みながら吸いつく。

「ンアアアアッ」

いきなりの激しく乱暴な葉月に驚きつつも繰り広げられる愛撫に身体は歓喜する。
触ってくれなかった葉月が、手ではなくて口で愛撫してくれることに心の底から喜び、麻耶は何度も葉月の名を呼びながら葉月の頭を抱きしめる。

「アアアッ…葉月…葉月ぃ…愛してる…」

胸を貪りながら、麻耶の片足を大きく開かせ、秘部に自分のモノをあてがった。
理性を狂われた葉月はグット力を込め、繋がろうとした。


―――わぁぁぁぁんわぁぁぁぁん


その瞬間、隣の部屋で寝ていた蘭子が大きな声で泣き出した。
その声に、葉月はビクッと身体震わせて我に返った。
肩で大きく息をしながら、麻耶を押し倒して今にも挿入しそうな自分自身の姿を目の当たりにして愕然とした。

「…ごめん…」

その言葉しかでてこない。
スッと麻耶から身を引いて、逃げ出すように蘭子が泣いている部屋に行く。
布団の中で泣いている蘭子の横に寝そべり、お腹の上をポンポンと叩いてあやす。
少したつと、蘭子は安心してまた眠りについた。
それでも葉月はそこを動こうとしない。
美弥と間違えて麻耶を抱いたあの日。
そして、自分の欲望のためだけに麻耶を抱こうとした今日。
一度たりとも麻耶のことを思って抱くことがない自分自身に嫌気がさした。
最低な人間だとつくづく実感し、合わせる顔がなかった。
残された麻耶は疼いたままの身体を持て余しながら、愛してくれない葉月の思いに密かに涙した。
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