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狂い咲く花
第17章 二、千寿菊 - 嫉妬
「ごめんなさい…南和…許して…」
泣きながら謝っている麻耶を見て、もう遅いと南和は思う。
何度約束してもその重みを知ろうとしない。
愛情を通り越して憎しみさえも覚えていることを知ろうとしない。
この怒りを、憎しみをどこにぶつければいいのか分からずに握り締めた手に力を入れた。
「もう、約束破らないから…南和の言うことなんでも聞くから…麻耶の事、いらないって言わないで…嫌いにならないで」
必死に南和に縋り付いて言葉を紡ぐ。
上から見下ろしながら、足に縋り付く麻耶を見てゾクゾクと身体が震えた。
自分に傅く(かしずく)姿を見て、もっと傅かせたいという願望が芽生えてくる。
そうすれば、自分の手の中から抜け出すことは叶わなくなり、永遠に自分のモノになるのではないかと思えてくる。
「…それを…どう証明するつもり?…言葉だけじゃ信用しないよ」
上から睨みつけるようにして告げると、麻耶は必死で考え始める。
南和が喜ぶことを。
だけど、思いつくことはあまりない…
ただ一つ、麻耶にできることといえば、教えてもらった事だけだった。
泣きながら謝っている麻耶を見て、もう遅いと南和は思う。
何度約束してもその重みを知ろうとしない。
愛情を通り越して憎しみさえも覚えていることを知ろうとしない。
この怒りを、憎しみをどこにぶつければいいのか分からずに握り締めた手に力を入れた。
「もう、約束破らないから…南和の言うことなんでも聞くから…麻耶の事、いらないって言わないで…嫌いにならないで」
必死に南和に縋り付いて言葉を紡ぐ。
上から見下ろしながら、足に縋り付く麻耶を見てゾクゾクと身体が震えた。
自分に傅く(かしずく)姿を見て、もっと傅かせたいという願望が芽生えてくる。
そうすれば、自分の手の中から抜け出すことは叶わなくなり、永遠に自分のモノになるのではないかと思えてくる。
「…それを…どう証明するつもり?…言葉だけじゃ信用しないよ」
上から睨みつけるようにして告げると、麻耶は必死で考え始める。
南和が喜ぶことを。
だけど、思いつくことはあまりない…
ただ一つ、麻耶にできることといえば、教えてもらった事だけだった。