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狂い咲く花
第18章 二、朝霧草 - 蘇る想い出
にっこりと笑う笑顔が素敵だと思いながら、恥ずかしくて目を逸らして何も言えなくなる。
それに気が付いた彼は何も言わずにただ美弥を見つめて2人だけの時間がゆっくりと過ぎていった。

「お話は弾みました?」

ある程度時間が過ぎればお互いの両親が入ってきた。
にこやかに2人を見比べて悪くはない雰囲気に満足する

「ええ。相良さんが言われていた通り素敵なお嬢様ですね」

彼の言葉に父様は上機嫌に答える。

「手前味噌ですが自慢の娘なんですよ。この子の幸せな姿を見るまでは死ぬに死ねないと思ってます…親馬鹿で申し訳ないんですが、娘を持つ親としてはね」

少し照れながら美弥の幸せを願う言葉を聞いて、複雑な気持ちになった。

「相良さん…私は前向きに話を進めて行きたいと思っています…こんな年の離れた私で嫌でなければの話ですけど」

「年なんて関係ないでしょう。幸信くんみたいな好青年が美弥の相手になってもらえたら私たちも安心というもんです。」

父様と彼との間で話がどんどん進む。

「美弥さん。勝手に話を進めて申し訳ない…だけどこれが私の率直な思いです。返事は急ぎません。ゆっくりと考えて答えを出してください。」

彼はそう言葉を残して帰って行った。
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