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狂い咲く花
第19章 二、牡丹一華 - 希望
「っ…ごめんなさい…」
自分の頬をつたう涙に驚いて俯いた。
今、自分の気持ちがどこにあるか分からない美弥は戸惑い困惑する。
声を抑えながら涙を流す美弥を、愛おしく思った彼は人の往来がある道端と言うのに美弥抱きしめた。
葉月以外に抱きしめられたことがない美弥は驚きはしたが、不思議と嫌ではなかった。
人の温もりに飢えていた美弥の心を安らかにしていく。
無理をして笑って何もないような顔をして日々を過ごしてきた美弥にとって、その腕の中は安らぎに満ちていた。
この腕の中にいられたら、幸せになれるかもしれないと思う。
「美弥さん。ゆっくりと進んでいきませんか?私は、この歳まで一人でいたんです。待つことには慣れてます…。美弥さんは少しずつ自分の気持ちと向き合えば良いと思いますよ…」
何も知らない彼が美弥の心の核心をついてくる。
「人の心など他人には分からないんです。口に出す言葉と心に秘めている思いが必ずしも同じとは限らない。それで良いんだと思います。思ったことを口にすることが全て良い事だとは私は思いません……申し訳ない…何を言ってるのか分からないですね」
彼は微かに笑って抱きしめる腕に力を込めた。
彼の言葉は美弥の心に響いていた。
彼もまた、何かを背負って生きているのだろうと同じ痛みを持ち合わせてるのではなだろうかと思えた。
この人なら自分を理解してくれるかもしれないと、美弥の心は揺れ動いていた。
自分の頬をつたう涙に驚いて俯いた。
今、自分の気持ちがどこにあるか分からない美弥は戸惑い困惑する。
声を抑えながら涙を流す美弥を、愛おしく思った彼は人の往来がある道端と言うのに美弥抱きしめた。
葉月以外に抱きしめられたことがない美弥は驚きはしたが、不思議と嫌ではなかった。
人の温もりに飢えていた美弥の心を安らかにしていく。
無理をして笑って何もないような顔をして日々を過ごしてきた美弥にとって、その腕の中は安らぎに満ちていた。
この腕の中にいられたら、幸せになれるかもしれないと思う。
「美弥さん。ゆっくりと進んでいきませんか?私は、この歳まで一人でいたんです。待つことには慣れてます…。美弥さんは少しずつ自分の気持ちと向き合えば良いと思いますよ…」
何も知らない彼が美弥の心の核心をついてくる。
「人の心など他人には分からないんです。口に出す言葉と心に秘めている思いが必ずしも同じとは限らない。それで良いんだと思います。思ったことを口にすることが全て良い事だとは私は思いません……申し訳ない…何を言ってるのか分からないですね」
彼は微かに笑って抱きしめる腕に力を込めた。
彼の言葉は美弥の心に響いていた。
彼もまた、何かを背負って生きているのだろうと同じ痛みを持ち合わせてるのではなだろうかと思えた。
この人なら自分を理解してくれるかもしれないと、美弥の心は揺れ動いていた。