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狂い咲く花
第21章 二、杜鵑草 - 秘めた思い
「南和は何やってんだ?一人?」

その2人の空気など分からない葉月が割って入る。

「僕?暇だったから散歩??一緒にまわってもいい?お邪魔じゃなければなんだけど」

「俺は構わないけど?麻耶も大丈夫だよね」

「うん…一緒がいい…かな」

2人の言葉を聞いて南和は大喜びをした。
そこまで喜ぶことか?と葉月に笑われながらも麻耶の隣に並び身体の後ろで手を繋ぎ、いつどこで知り合いに見られるかと思うと、2人の気持ちは高鳴っていく。
葉月が少し違う方を向いた瞬間に目を合わせて微笑み、口づけを交わしたくなるが、さすがにそれはできないと諦める。

「…あれなんか麻耶に似合いそうだよ」

花の髪飾りを見つけて葉月が声を掛ける。

「どれ?」

葉月が指しているものが分からず聞くと、葉月の腕が麻耶の腰にまわって引き寄せられ、南和と繋いだ手が解ける。

「これ。花と蝶々がかわいいかなって…今の着物にも合ってかわいいよ」

麻耶の頭に刺して全体を見ながら褒める。
その言葉に、麻耶は顔を赤らめて下を向いた。

「葉月が言うなら…これにする…」

「じゃ、お金払ってくるから待ってて」

隣の店にいる亭主に品物を持っていく。
麻耶は他の品物を見ながらご機嫌だった。
それが南和には面白くない。
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