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狂い咲く花
第22章 二、金盞花 - 寂しさ
思いもよらない言葉に聞きかえす。

「そうだよ。欲しい時に欲しい言葉と気持ち良いことしてくれるもん。それできるの南和ぐらいだよ。だから、だ~い好き」

大好きという言葉に少しほっとしながらも、まだ全てが自分の物ではないと思い知った南和はこれからどうするべきなのかと考え始めていたい。

「南和。もう一回しよっ?」

南和の元気がなくなり、だらんと垂れ下がっているものを扱きながらおねだりを始める。

「本当に満足できなくなってるね。麻耶の身体は…」

「あのねっ、あのねっ」

南和の言葉に麻耶の目が輝いて、一生懸命に言葉を紡ごうとするが昔からすぐには言葉がでてこない。

「ゆっくりでいいから…僕に聞かせたいことがあるならゆっくりとね」

宥めるように告げると、頷いて何度も深呼吸をする。
それは、以前から南和が教えていることだった。
麻耶は興奮すると言葉がでてこない。
伝えたいのに伝えられないもどかしさに癇癪を起すこともあった。
しかし、今は何度か深呼吸をさせれば落ち着いて話せるようになっていた。

「あのね…南和がいないときね。一人は寂しいから姉様の所に行くことが多いのね…そうしたらね。幸兄様が来てることが多くてね…うふふふっ」

思い出したかのように一人で笑う。

「その先教えて」
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