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狂い咲く花
第22章 二、金盞花 - 寂しさ
「そんなに僕のコレが欲しいの?」

入口の辺りで浅く出し入れをし焦らしながら聞く。

「欲しいの。南和のソレが欲しいの」

躊躇なく欲しいという。
南和の腕に掴まっている手に力がこもる。

「もう二度と入れてあげないって言ったらどうする?」

「そんなの嫌!!」

悲鳴にも似た声で即答する。

「あああああ…嫌っ!駄目!!…そんなこと言わないで…麻耶を捨てないで…南和まで麻耶を見捨てないで…」

癇癪を起したかのように言葉を並べ、手で顔を覆いながら泣き出した。
その姿が南和を満足させる。
もう自分の身体なしでは過ごせなくなっている麻耶に安心さえ感じていた。
麻耶の手を剥がして自分の方を見るように仕向ければ、涙で赤くなった目で見つめ返してくる。

「いい?麻耶が僕だけを求める限り、僕のコレは麻耶の物だよ。」

麻耶は安心して、力強く頷く。

「だけどね。僕を裏切ったら二度と入れてあげないから、それだけは覚えておいて。どんなに泣いてもわめいても二度と手に入らないことを覚えておいてね」

笑顔にならない南和を見て、それが嘘ではないと麻耶は感じ取る。
それは絶対に何があっても守る必要があるのだと。

「麻耶は…南和を裏切らない…南和だけしかいらないから…だから、麻耶を捨てないで…離さないで」

「覚えておいてね。麻耶が裏切らない限り、麻耶の物だってことを」

言い終わらないうちに麻耶の中に入っていく。
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