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狂い咲く花
第23章 二、仏桑華 - 新しい恋
───…
暖かな日差しを浴びながら美弥と蘭子は眠りについていた。
お昼を食べ少し遊んだ後に、眠そうにしている蘭子を寝かせつけそのまま美弥も一緒に眠りに落ちていた。
その2人の寝顔を見下ろす幸信の眼差しはともて優しかった。
そっと美弥の頭を撫でて、そのまま唇をなぞり美弥の感触を確かめる。
「んんっ?」
幸信の存在に気が付いたのか、薄っすらと瞼が上がる。
「起こしてしまいましたか?」
静かに言葉を掛けられ、美弥は安心する。
「いえ…大丈夫ですよ。この時間は眠気に勝てませんね」
起き上がろうとすると、幸信の手が背中にまわり抱き起きおこされ、そのまま腕の中に閉じ込められてしまう。
「今日も、このままでいいですか?美弥の温もりを感じていたい」
耳元で甘く囁かれれば嫌とは言えない。
静かに頷き彼の腕を軽くつかみとり彼に体重をかける。
「今日はどのくらい一緒にいられるんですか?」
太陽の方向を確認しながら今が何時頃なのか考え、あとどのくらい一緒にいられるのか考える。
「仕事が終わるのが遅くなってしまって…1時間程でしょうか…もっと一緒にいたいのに残念です。」
幸信は仕事が早く終われば美弥の元に通い詰めていた。
家に上がるのを両親も近所の人たちも認め、2人の中はいつのまにか公認となっていた。