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狂い咲く花
第23章 二、仏桑華 - 新しい恋
玄関先まで来たところで、葉月が動揺し始める。
「いっ…今のって…」
片手で口を押えながら、項垂れるように壁越しに崩れ落ちた。
先ほどの2人の行為が、美弥の艶めかしい声が脳裏に浮かぶ。
手放してしまった自分に何も言う資格はないことは分かっていても、今の状況を認められずにいた。
「はっ…はははっ」
心の整理がつかない葉月は笑うしかなかった。
笑いながら涙がこぼれだす。
「葉月…」
さすがに、何と言って言葉をかければいいの分からない。
麻耶が葉月を求めただけで狂いそうになった自分を思い出して、心から同情していた。
たぶん同じ状況になったら相手を殺してしまうだろうと南和は思う。
それが葉月であっても殺してしまうのだろうと、他人事のように思っていた。
「俺が…俺がとやかく言える立場じゃ…ないよな…」
天を仰いで、自分でつぶやいた言葉を噛みしめる。
「ねぇ、葉月。…葉月は美弥の事を好きだったよね。」
葉月の横に座りながら、ずっと聞きたかったことを口にした。
「それなのに…なぜ麻耶だったの?葉月が麻耶を好きな素振りなんて一度も見せなかったよね。誰もが葉月と美弥が結婚するものだと思っていたし」
南和の問いに、葉月の顔が歪んだ。
苦し気に後悔に満ちた表情だった。
「いっ…今のって…」
片手で口を押えながら、項垂れるように壁越しに崩れ落ちた。
先ほどの2人の行為が、美弥の艶めかしい声が脳裏に浮かぶ。
手放してしまった自分に何も言う資格はないことは分かっていても、今の状況を認められずにいた。
「はっ…はははっ」
心の整理がつかない葉月は笑うしかなかった。
笑いながら涙がこぼれだす。
「葉月…」
さすがに、何と言って言葉をかければいいの分からない。
麻耶が葉月を求めただけで狂いそうになった自分を思い出して、心から同情していた。
たぶん同じ状況になったら相手を殺してしまうだろうと南和は思う。
それが葉月であっても殺してしまうのだろうと、他人事のように思っていた。
「俺が…俺がとやかく言える立場じゃ…ないよな…」
天を仰いで、自分でつぶやいた言葉を噛みしめる。
「ねぇ、葉月。…葉月は美弥の事を好きだったよね。」
葉月の横に座りながら、ずっと聞きたかったことを口にした。
「それなのに…なぜ麻耶だったの?葉月が麻耶を好きな素振りなんて一度も見せなかったよね。誰もが葉月と美弥が結婚するものだと思っていたし」
南和の問いに、葉月の顔が歪んだ。
苦し気に後悔に満ちた表情だった。