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第24章 二、花浜匙　-　変わらぬ心

「…見せたかっただなんて…君以外の男性に見られてたらと思うと気が気じゃないんですよ。あんな表情を他の人に見せたくなく…」

「ふ～ん…だったら閉めておけばいいのに。僕はてっきり、他の誰かに見せつけたいんじゃないかって思っちゃったよ」

「そんな美弥さんに対して失礼なことはしませんよ」

大人な顔を崩さずに南和の問いかけを交わしていく。

「まぁ…いいけどねぇ。僕の邪魔さえしてくれなければ」

意地悪く笑いながら幸信の先を歩き出す。

「君は…他の人たちといる時と私の前では言葉遣いや行動が違いますよね」

彼の言葉に南和は振り向く。

「え～…僕はいつもいっしょだよ？」

しっかりと幸信を見つめた後に、あどけない笑顔を向ける。

「ただ…僕とあなたは同じ匂いがするって言うだけ…あっ麻耶だ！！じゃあね。幸信さん」

家の前で麻耶の姿を見つけ、幸信を置いて駆け出して行った。
幸信は、そんな南和を見つめてため息をつく。

「同じ匂いねぇ…」

「幸信さん、こんにちはっ」

麻耶の元まで行くと、麻耶は元気に挨拶をする。

「体調悪いって聞いたけど、大丈夫？」

「少し寝たら良くなったよ」

にこやかに、嘘をつく。