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狂い咲く花
第24章 二、花浜匙 - 変わらぬ心





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幸信と南和が帰ったあと、一人になった美弥はまた寂しさの中にいた。
幸信と幸せな時間を過ごせば、その後に1人になったときの寂しさが増し寂しくてどうしよもなくなることが多くなった。
そして一人で泣くことも多くなっていた。
今日は両親が帰ってこない日なので、戸締りをしに母屋に向かう。
一人の時は母屋で寝るように言われているため、いつも通りに全てのカギをかけて玄関先に向かう。
薄暗い玄関先に座り込んでいる影が目に入り、それが誰か分からない美弥は緊張した。
最近、この辺りで起こっている事件を思い出す。
女性が知らない人に襲われる事件が頻繁していた。
日が暮れて外にでる方が悪いと噂になっていたが、襲う方が悪いに決まっているのに一般的には女性が暗闇を歩くのが悪いとされる。
もしかしたら、その男かもしれないと思うと美弥は足がすくんで動けなかった。
そして、鍵がかかっていないことに気が付き、どうしようと足が震える。
怖くてどうしていいのか分からずに息を殺して、その人が立ち去るのを待つ他なかった。
しかし、その人物が立ち去る気配はなかった。
麻耶の家に避難しようと思い、気が付かれないように裏口にまわった。
その時に、フトどんな人物なのか気になり、その人物に見つからないようにそっと覗き見ることにした。

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