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狂い咲く花
第24章 二、花浜匙 - 変わらぬ心
「誰かと…思った…。もうこんなところにいたらびっくりするじゃない」

確実に葉月だと認識すれば恐怖心は一瞬で消えた。

「驚かせて…ごめん」

いつもと違って弱々しい言葉に美弥は心配になった。
そもそも、こんな時間にこんな場所にいること事態変だと思う。

「ねぇ…どうかしたの?麻耶と喧嘩でもした?」

そんなことしか思い浮かばず、まさか先ほどの睦み合いをみられていたとは思わない。

「葉月?」

何度呼びかけても美弥の言葉に反応することはなく、ただ一点をみつめるだけだった。

「とりあえず…家の中に入ろう?」

葉月の腕を掴もうとすると、葉月の身体が硬直するのが手に取るように伝わった。
いったい彼に何があったのだろうかと心配ばかりが大きくなる。

「お願いだから家の中に入って」

葉月の目線を捉えようとしゃがみこんでみても、すぐさまに顔を背けられ視線を合わせようとしない。

「ねぇ、葉月が部屋にあがらないなら、私もずっとここにいるからね。」

そう告げても、動こうとしない葉月に困り果てる。
ここまで頑なになる理由は何なのかと不思議に思う。

「さすがにここじゃ、人目もあるから。…葉月たちの部屋の鍵あけるから…そっちだったら来れる??」

その言葉でやっと頷いた。
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