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狂い咲く花
第24章 二、花浜匙 - 変わらぬ心
2人の姿が見えなくなると南和に抱きかかえられるようにして麻耶を家まで帰った。
「きっと…理由があったんだよ」
苦し紛れに、意味もない慰めの言葉を口にする。
項垂れている麻耶に声を掛けても、麻耶の悲しみや怒りは静まることはなかった。
逆に時間がたつほどに麻耶の心には暗い闇が落ちていく。
その闇は深く、麻耶を狂わせる。
「ねぇ…南和…」
初めて聞く穏やかな声音に南和は背中がゾクリとした。
そこには、いつものむじゃきな麻耶ではなく、穏やかな表情をして落ち着き払った麻耶の姿があった。
「姉様ね…麻耶が欲しい物、全部持って行っちゃうの。父様も母様も…葉月も…。麻耶、妹なのに双子なのに…何一つくれないの…欲張りだよね。」
「麻耶…」
落ち着いた物言いに嫌な予感しかしない。
「姉様なんて…いなくなればいい…。麻耶と同じ想いを味わえばいい…。ねぇ、南和。できるよね…麻耶のお願い聞いてくれるよね」
南和に抱き付いて、胸に顔を擦り寄らせながら懇願する。
「葉月が二度と見向きもしないように、姉様をぐちゃぐちゃにして」
穏やかに話す言葉が麻耶の闇を映し出し、麻耶は本気なんだと南和は肌で感じ取る。
「きっと…理由があったんだよ」
苦し紛れに、意味もない慰めの言葉を口にする。
項垂れている麻耶に声を掛けても、麻耶の悲しみや怒りは静まることはなかった。
逆に時間がたつほどに麻耶の心には暗い闇が落ちていく。
その闇は深く、麻耶を狂わせる。
「ねぇ…南和…」
初めて聞く穏やかな声音に南和は背中がゾクリとした。
そこには、いつものむじゃきな麻耶ではなく、穏やかな表情をして落ち着き払った麻耶の姿があった。
「姉様ね…麻耶が欲しい物、全部持って行っちゃうの。父様も母様も…葉月も…。麻耶、妹なのに双子なのに…何一つくれないの…欲張りだよね。」
「麻耶…」
落ち着いた物言いに嫌な予感しかしない。
「姉様なんて…いなくなればいい…。麻耶と同じ想いを味わえばいい…。ねぇ、南和。できるよね…麻耶のお願い聞いてくれるよね」
南和に抱き付いて、胸に顔を擦り寄らせながら懇願する。
「葉月が二度と見向きもしないように、姉様をぐちゃぐちゃにして」
穏やかに話す言葉が麻耶の闇を映し出し、麻耶は本気なんだと南和は肌で感じ取る。