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狂い咲く花
第24章 二、花浜匙 - 変わらぬ心
しかし、麻耶が見せる闇をきれいだと南和は思った。
ただ、むじゃきな少女ではなく、闇を心に秘める麻耶を崇拝する。
麻耶が望む事だったら何でもしてあげると決めいた南和の心は完全に麻耶の心と同化する。

「いいよ…それが麻耶の望みなら、僕が叶えて上げる」

それだけ告げて、麻耶の顔を上げさせた。
じっと見つめれば、奥深くに沈む闇が見えてくる。
この闇と一緒に堕ちていくことを南和の心は望んだ。

「だけど、それは普通の人はやっちゃいけないことだって分かってる?」

南和の言葉に麻耶は静かに頷いた。

「悪に手を染める僕を嫌いにならない?麻耶の為に地獄に落ちる僕を嫌いにならない?」

麻耶は背伸びをして南和の唇に口づけをする。
契約を交わすように。

「嫌いにならないよ。麻耶の為に怖いところに行ってくれるなら麻耶もついていく…怖いけど…離れない…南和も、ずっと麻耶の傍にいて…麻耶を離さないで」

一緒に、地獄に堕ちると言う麻耶の言葉に南和は覚悟を決めた。

「もちろん…離さないから…一緒にどこまでも堕ちて行こう…」
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