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狂い咲く花
第25章 二、葡萄 - 宵と狂気
「アッ…」

手が花芽を摘まんで軽く握りつぶす

「前回は、ここを触られてイッてしまいましたね。今日もそこから…そして全て私の物になってください」

花芽を握りつぶしている手を離して、愛液を掬い取りやさしく花芽を撫で始める。
それだけど、美弥の身体はゾクゾクとした感じが身体全体を駆け巡る。
嫌悪感と快楽が入り乱れ何も考えられなくなっていた。
優しく撫でられる指は徐々に速さを持ち刺激を与え始める。

「アッ…いやっ…やめ…て…」

縋る手もなく身体をよじりながら快楽と戦う。

「美弥の嫌も良いということですからね…」

指の速度を上げながら、胸の蕾にしゃぶりつく。
同時に快楽を与えられ続け次第に高みへと上り詰めていく。
心は拒否しても身体は拒否できずにいた。

「アッ…たすけて…アアッ…はっ…はづ…き…」

無意識のうちに葉月の名前を呼んだ。
幸信の指は止まり、蕾を愛撫していた口を離して美弥を見下ろす。

「今…誰の名前を呼びましたか?」

何があっても笑顔を崩さなかった幸信が、冷たく無表情で口を開く。

「…」

次の瞬間には、いつもの笑顔に戻って優しく話し始める。

「怒っていないですから、正直に教えてください。私の名前ではなく、誰の名前を呼びましたか?」

それでも、目が笑っていないことに気が付く。
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