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狂い咲く花
第25章 二、葡萄 - 宵と狂気
何も言えずに黙っていると、幸信の唇がまた美弥の身体を這いだし舐めていく。

「いやっ…」

「私は…あなたの心が私に向くまで待つと言いました…次第にあなたも私を受け入れて心も身体を開いてくれた…」

幸信の息があがり、浅く何度も何度も呼吸をしながら美弥の身体を堪能しながら話をつづけた。

「私はあなたを大事に…大事にしてきました。…心も身体も…。あなたの心を一番に考えて…私は…私は…。」

そこで、一度言葉を止めて幸信は着ている物を全て脱ぎ捨てた。
身体の中心には興奮して雄々しく立ち上がっているモノがあった。
今から何をされるか悟った美弥は恐怖から言葉もでなかった。

「あなたも…私の前から消えていなくなるのですか?こんなにも愛しているのに…。なぜ…私の愛は届かないのですか?…なぜ…いかないでください…」

天を仰いだ目から、涙が一筋ながれているのが見えた。
その涙が何を意味するのか、今の美弥に考える余裕などない。
幸信はゆっくりと美弥を見下ろす。

「あなたが悪い…私をこんなにも好きにさせておいて…他の男と抱き合って口づけをして…私を裏切ったあなたが悪い…」

「ゆき…のぶさ…」

辛うじて名前を呼ぶ。
その言葉に、またいつもの笑顔を向けてくる。

「さぁ…美弥。愛し合いましょう!一つにつながれば、あなたはもっと私を愛してくれる」
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