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狂い咲く花
第28章 三、クロッカス - 愛をもう一度(紫)

葉月は美弥の帯を解き、緩まった襟を少し開いて鎖骨へと舌を這わせながら下がる。
それと同時に美弥の身体をいたわりながら床に倒した。
露になった胸を優しく包み込み、軽く揉みながら胸の蕾をそっと口に含んだ。

「ハァン…」

それだけの行為に美弥の身体は簡単に反応する。
舌を使って突けば、声は甘ったるく葉月の脳に響き渡った。
夢中になり美弥の胸に貪りつき、そこだけを集中して責めていけば、いつしか美弥の両足がすり合わせるように動き出しているのに気がつく。
片足を美弥の両足の間に入れ空間をつくり、太ももを手で擦りながら徐々に移動する。
そのゆっくりとした動きが美弥はもどかしかった。
直接触ってほしいと頭の中は充満する。
けれど、恥ずかしくて声にできない美弥は腰を浮かせくねらせ、その感覚から逃げようとする。
美弥の身体に自分の体重を少しかけて動きを封じ、下着の上からスッとなぞる。

「ヤッ」

身体をビクッとさせて葉月の着物を強く握りしめた。

「ごめん…」

美弥の行動が恐怖からだと錯覚した葉月は手を止めた。

「あっ…」

葉月の表情を見て美弥も葉月の思いに気がつき、そうではないと言いたいのに言えなかった。

「…ごめん…ここまでするつもりなかった…美弥があまりにも可愛い声を出すから我慢できなくなったよ」

美弥の着物を正しながら、優しく口づけをする。

「美弥と一つになるのはもう少し先…美弥の全てを大切にしたいから…」

大切にしてくれている葉月の心が伝わり、コクリと頷いた。

「あ~…でも暴走しそうになったら止めてね。美弥の言葉だったら俺に届くから」

冗談交じりに告げると、美弥の身体を引き寄せて腕枕をする。
夜空の月を見上げ、この幸せがずっと続くように月と星に願いを掛けながら言葉もいらない時間を2人は共有する。

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