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狂い咲く花
第28章 三、クロッカス - 愛をもう一度(紫)
「姉様…昔はいつもこうして寝てたね」
布団から顔を半分出して麻耶も懐かしそうに昔を思い出していた。
「そうね。いつも一緒に寝てたわね…麻耶が私の布団に潜り込んできて…真冬なんか麻耶に布団取られて寒かったんだから」
「え~…麻耶、そんなに寝相悪くないよ~」
「真冬に寒くて起きたことある?」
美弥の質問に少し考えて麻耶は元気に返事をする。
「ない。麻耶、朝までぐっすりだもん」
「当り前よ。夜中に起きては麻耶を抱き寄せてたんだから。今日も転がっていったら抱き寄せてあげる」
「お願いしま~す」
2人は顔を見合わせて笑った。
久しぶりに心穏やかな時間だった。
その後も昔話をしながら夜は更けていった。
うっつらうっつらしながらも話す麻耶を見て背中を軽くトントンと叩けば、スッと眠りに落ちて行った。
布団からはみ出さないように両腕で抱きしめて美弥も眠りにつく。
暖かい麻耶を抱きしめていると美弥は夢を見た。
幼い美弥が、走り回る幼い麻耶を追いかけて石に躓いて転んで泣き出し、それに気が付いた麻耶が駆け寄って『姉様痛いの??痛いの半分麻耶がもらってあげる。』そう言って、麻耶が美弥を抱きしめる、そんな夢だった。
目が覚めると心は満たされていた。
腕の中にある温もりと今見た夢の懐かしい思い出が心を和ませる。
その反面、麻耶の寝顔を見ながらこれから麻耶を泣かせてしまうのかと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
自分を慕ってくれている麻耶を裏切る自分を許さないで欲しいと願う。
布団から顔を半分出して麻耶も懐かしそうに昔を思い出していた。
「そうね。いつも一緒に寝てたわね…麻耶が私の布団に潜り込んできて…真冬なんか麻耶に布団取られて寒かったんだから」
「え~…麻耶、そんなに寝相悪くないよ~」
「真冬に寒くて起きたことある?」
美弥の質問に少し考えて麻耶は元気に返事をする。
「ない。麻耶、朝までぐっすりだもん」
「当り前よ。夜中に起きては麻耶を抱き寄せてたんだから。今日も転がっていったら抱き寄せてあげる」
「お願いしま~す」
2人は顔を見合わせて笑った。
久しぶりに心穏やかな時間だった。
その後も昔話をしながら夜は更けていった。
うっつらうっつらしながらも話す麻耶を見て背中を軽くトントンと叩けば、スッと眠りに落ちて行った。
布団からはみ出さないように両腕で抱きしめて美弥も眠りにつく。
暖かい麻耶を抱きしめていると美弥は夢を見た。
幼い美弥が、走り回る幼い麻耶を追いかけて石に躓いて転んで泣き出し、それに気が付いた麻耶が駆け寄って『姉様痛いの??痛いの半分麻耶がもらってあげる。』そう言って、麻耶が美弥を抱きしめる、そんな夢だった。
目が覚めると心は満たされていた。
腕の中にある温もりと今見た夢の懐かしい思い出が心を和ませる。
その反面、麻耶の寝顔を見ながらこれから麻耶を泣かせてしまうのかと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
自分を慕ってくれている麻耶を裏切る自分を許さないで欲しいと願う。