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狂い咲く花
第29章 三、水仙 - 自己愛
「はぁ…。このまま続きをしたいけど、美弥がご飯の用意して待ってるから行こう」

離れがたい身体を離して南和が言えば、麻耶も頷いて一緒に食卓に向かう。

「ご飯食べたら2人で帰ろう?お昼過ぎに蘭子を連れてきてもらうように美弥に伝えてね」

「迎えに行くんじゃなくて?」

「そう…美弥が送ってくるんだよ。それまでは僕が一緒にいてあげるから」

ヒソヒソとしゃべりながら美弥の元に向かった。
食卓には全て用意がされており、あとは食べるだけになっていた。

「遅かったわね」

「麻耶が起きないんだもん」

南和がその場を取り繕い食事は進む。
途中で南和は麻耶を軽くつついて、話を促す。

「姉様…今日も蘭子預けていい?」

「いいわよ。南和とどこか行くの?」

食事をしながら話は南和の思惑通りに進んだ。
途中、蘭子の泣き声が聞こえてきて中断してしまったが美弥は何の疑問も持つことはなかった。
食事を済ませて、少しのんびりしてから麻耶と南和は蘭子を預けて出て行った。
2人が行くのは決まっていた。
少し用事があると言った南和は、途中で麻耶と別れあるところに向かう。
麻耶は言われた通り、いつもの小屋で南和が来るのを一人で待っていた。
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