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狂い咲く花
第31章 三、丹一華 - 嫉妬の為の無実の犠牲
「それもそうですね…ここで大きな声で喘がれてもね…犯されている女が喘ぐ姿なんてみっともない…それよりも歪んだ顔の方が私はそそるんですよ」

「ヒッ…」

“犯される”の一言が恐怖心を煽っていく。
まだどこか他人事で自分の置かれている立場を完全に認識していなかった美弥は、その一言で事の重大さに気が付いた。
気が付くのが遅れたのは、2人の話し方にあったのかもしれない。

「自分がどういう立場が漸く分かったようですね…本当に鈍い…」

言葉もなく恐怖で身体が震え、美弥の表情が歪む。

「その顔…その顔が私を興奮させる…もう泣こうが喚こうが止まることはしませんよ」

悪魔の微笑みを向けると、胸の蕾に吸い付いた。
舌でつつかれ吸い上げられながら、甘噛みされれば身体は跳ねる。
心とは裏腹に身体は多少なりとも反応する。
手が太ももを撫でながら秘部に近づいていく。
その先の行為を察した美弥は、やっと声を音にできた。

「やめて…やめてください…」

その言葉を聞いても動きが変わることはなかった。
逆に、泣き叫ぶ美弥を美しいとさえ宝賀は思っていた。
下着の上を何度か上下し、横から手を滑り込ませる。
秘部を直接触ってみても犯されている美弥の秘部が濡れることはなかった。

「予想通り…でもこのままでは美弥が痛い思いをするだけですから…泰邦、通和散(つうわさん)を」

宝賀が泰邦に言葉をかけると、小さな瓶を投げてよこした。
蓋を開けて、中に手を入れ粘り気のある液体を掬い取る。





※通和散(つうわさん)=現代でいうローション
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