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狂い咲く花
第31章 三、丹一華 - 嫉妬の為の無実の犠牲
恐怖に歪む顔を見ながら満足に笑う宝賀の顔にさえ気が付かなった。
怖がれば怖がるほどに宝賀を喜ばせるとは美弥は気が付いていない。

―――パシッ

宝賀の平手打ちが美弥の頬に入る。

「騒いでも叫んでも誰も助けには来ませんよ。でもその歪んだ表情はきれいですね。もっと歪めたくなります。」

宝賀は自分の帯を解いて、美弥を手を再度縛った。

「少し痛いですが我慢してください」

不気味に笑ったかと思うと、腰を強く美弥に押し付けていく。

「ヒッ…」

痛さの余り美弥は息をするのを忘れ、縛られている手を強く噛みしめた。
押し付ける力が無くなり、大きく息を吸った瞬間に宝賀は腰を何度も突き始める。

「イヤァ――――…やめて!やめて!!」

痛みから逃げようともがけばもがくほどに、宝賀の力は強まっていく。

「その表情、ゾクゾクする」

楽しむ余裕がある宝賀は泣き叫ぶ美弥を見ながら最後の砦を打ち破る。
痛みから全てが収まったことが分からない美弥は、突然静止した理由が分からなかった。
ただ手で顔全体を覆い、痛みと恐怖心から泣きじゃくる。

「美弥…私たちは一つになれましたよ」

その言葉は美弥には届いていない。
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