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狂い咲く花
第33章 三、ヒマラヤ雪ノ下 - 秘めた感情

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陽の光が窓から差し込むまぶしさで美弥は目を覚ます。
気だるい身体を起こす気力もなく、被さっている布団に潜り込み目を閉じて昨日のことを思い出す。

『辛いことなど忘れさせてやる』

忘れられるなら苦労などはしない。
と心の中で悪態をつく。
しかし、それが叶うのならその手を取りたいとも心のどこかで思っていた。
宝賀の言い分はもっともだった。

『辛くはないのか?』

───辛くないわけがない。

『憎いとは思わないのか?』

───憎くないわけがない。

それでも、それ以上に愛情が上回ってしまう。
葉月を苦しませたくない想いが上回ってしまう。

「平気でこんなことをする彼には分からない。きっと」

自分の首を触りながら、昨日の冷淡で凶悪な彼の顔を思い出すだけで身体が震えた。

「…死ぬかと思った…。…死ねれば楽になれるのかな…」

終わることのない悪夢に絶望さえ感じ生きていく辛さを実感する。
疲れきった身体と心は休息を求めて自然と全ての思考回路を止めて何も考えなくてすむ眠りに落ちていった。
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