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狂い咲く花
第33章 三、ヒマラヤ雪ノ下 - 秘めた感情
部屋の外には父様と葉月が立っていた。

「どうだった?」

父様の問いに母様は首を横に振る。

「あんなに明るかったのに…今では笑顔さえ見せてくれない…」

今にも泣き出しそうな母様を父様は抱き寄せて背中を擦る。
ここ最近の美弥の憔悴ぶりに2人は心を痛めていた。
初めの方は、作り笑いをしながらでも食事を共にしていたのに、一緒に食事を取る回数が減り、今では部屋をでることもなくなっていた。
日がない一日をただぼーっと過ごすだけで、そこに生きているという感覚が見えなくなっていた。

「とりあえず部屋に戻ろう…」

父様は母様の肩を抱きながら部屋に戻るように歩くが、時折離れを振り返り美弥を心配する。
そんな二人を見送りながら葉月は動けないでいた。
美弥の部屋をじっと見つめる葉月を見て、父様は声を掛けるのをやめて母様と部屋の中へ戻る。
残された葉月は何をするわけでもなく、ただ部屋の中にいる美弥を思い彼女が出てくるのを待つことにした。
離れの入り口付近に置いてある木箱に腰かけて身体を壁に預けて目を閉じて待つ。
美弥の様子がおかしいと聞いたのは最近の事だった。
父様から、美弥と何かあったのかと尋ねられたのが今を知るきっかけとなった。
食事もせずに部屋に閉じこもるようになったと聞いても、葉月も心当たりがなかった。
それだけ、美弥と会っていなかったのかと思うと自分が情けなかった。
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