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狂い咲く花
第33章 三、ヒマラヤ雪ノ下 - 秘めた感情
麻耶を守る一方で美弥を苦しめる。
美弥を守ろうとすれば麻耶を苦しめる。
どちらも切ることができない葉月もまた、その狭間でもがき苦しむ。
自分が会える立場にないと分かっていても美弥を放っておくことなどできず、麻耶には実家に用事があると嘘をついて美弥に会いに来たのだった。
そんなことを考えてると、扉が開いて美弥が現れた。
その姿を見て息をのみ言葉を失った。
長い美しい黒髪は無造作に一つに結ばれ、帯は簡単に結ばれ、着崩した着物姿だった。
美弥は葉月には気が付かず厠に向かった。
唯一部屋をでるのは厠に行くときだけだった。
そんな後ろ姿を見ながら、葉月は言い知れない不安と罪悪感が生まれた。
美弥の身になにかあったのは間違いない。
それに気が付かないで放置していた自分が情けなかった。
手で額を抑えて自分を落ち着かせ自分が今できることを考えた。

「葉月…」

ちょうど戻ってきた美弥は入り口横に座っている葉月に気がついた。
名前を呼ばれた葉月は顔を上げて久しぶりに美弥の顔を見た。
憔悴しきっている顔に覇気のない目に、葉月の方が狼狽する。
自分を見て驚いている葉月を見て美弥は微かに笑った。
その笑みが何を意味するのか、葉月には分からなかった。
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