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狂い咲く花
第33章 三、ヒマラヤ雪ノ下 - 秘めた感情
「美弥…」

葉月が腰を上げて美弥に近づこうとする。
一歩踏み出せば美弥は一歩後ろに下がる。
二歩踏み出せば二歩後ろに下がり、距離が縮まるのを拒む。

「何があった?俺が来ない間に何が…」

間合いを詰められない葉月は歩みを止めて、離れた距離で会話をする。
その距離が自分と美弥の距離のような気がしてむなしかった。

「何もない…」

「何もないわけないだろう…父さんも母さんも心配してるよ。…俺だって心配してる」

美弥は顔を上げて苦し気に顔を歪め絞るような声で葉月に告げた。

「心配??何が心配なの?」

「美弥が食事もせずに部屋に籠りっぱなしだって聞いたら心配するだろう」

その言葉に、美弥はクスリと笑った。

「今更…」

「美弥?」

「食事をしなくなったのも部屋からでなくなったのも、ここ最近の話じゃない…だけど、葉月は今更心配するのね」

棘のある言い方をする美弥を初めて見、葉月は困惑しながら言い訳をする。

「それは…忙しかったから…」

「忙しい…。便利な言葉ね」

目を閉じて馬鹿にしたような言い方だった。

「美弥…?本当に何があった?」

「何もないわ…気にしないで」

頭を軽く横に振って会話を終わりにする。
もう話したくないと拒絶した。
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