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狂い咲く花
第34章 三、エリカ - 孤独
先ほどの責め続けた余韻なのか美弥の中はヒクヒクと蠢き、締め付ける。
「動くぞ」
声を掛けてから、ゆっくりと動き始めた
動き始めると美弥の手が自然と宝賀の背中に回る。
いつもは無機質に人形のように動かない美弥が、普通の女のように擦り寄り喘ぐ姿が、思った以上にうれしかった。
それが媚薬香の成せる業だと分かっていても、美弥と同時に宝賀の心も癒されていることに宝賀自身、気が付いていなかった。
「ンアアッ……アアアン……アッ……」
ゆるい旋律は程良い快楽だった。
全てを忘れ、身体の中に充満する心地よい刺激が負の心を払拭する。
悲しみも憎しみもどこかに忘れてきたような、ただ幸せな気分だけが身体を包み込んでいった。
このまま、ずっとこの中にいたいと思わされる。
この快楽の中だけで生きていければどんなに幸せなことであろうかと、忘れた記憶の破片を掴み取り現実を思い出していく。
「アアアッ…葉月…」
無意識のうちに葉月の名前を呼んだ。
心の奥深くに根付いた愛情が消えるわけなどなかった。
「今日だけは許してやる…」
愛しい人の名前を呼びながら違う人に抱かれる。
美弥は自分が葉月の名前を呼んだことに気が付かない。
ただ、押し寄せる快楽に全てを忘れて落ちていく。
「動くぞ」
声を掛けてから、ゆっくりと動き始めた
動き始めると美弥の手が自然と宝賀の背中に回る。
いつもは無機質に人形のように動かない美弥が、普通の女のように擦り寄り喘ぐ姿が、思った以上にうれしかった。
それが媚薬香の成せる業だと分かっていても、美弥と同時に宝賀の心も癒されていることに宝賀自身、気が付いていなかった。
「ンアアッ……アアアン……アッ……」
ゆるい旋律は程良い快楽だった。
全てを忘れ、身体の中に充満する心地よい刺激が負の心を払拭する。
悲しみも憎しみもどこかに忘れてきたような、ただ幸せな気分だけが身体を包み込んでいった。
このまま、ずっとこの中にいたいと思わされる。
この快楽の中だけで生きていければどんなに幸せなことであろうかと、忘れた記憶の破片を掴み取り現実を思い出していく。
「アアアッ…葉月…」
無意識のうちに葉月の名前を呼んだ。
心の奥深くに根付いた愛情が消えるわけなどなかった。
「今日だけは許してやる…」
愛しい人の名前を呼びながら違う人に抱かれる。
美弥は自分が葉月の名前を呼んだことに気が付かない。
ただ、押し寄せる快楽に全てを忘れて落ちていく。