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第34章 三、エリカ　-　孤独

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『お母さま、許して…ごめんなさい。ごめんなさい』

裸の男児に手を上げる母様がいた。
手と足を縄で結び、縮こまる男児に母様は容赦なく手を奮う。
男児は泣きじゃくり、何度も母様に謝罪した。
しかし、その手が止まることはない。
母様の癇癪が治まるまで、何時間でも男児はその痛みに耐えるしかなかった。

『お前が一番にならないと、あの人は私たちを捨てるのよ…あの人の愛情が私は欲しいの…この出来損ない！』

悪態をつきながら、般若のような顔をして折檻する。

『ごめんなさい…お母さま。ごめんなさい…僕、頑張るから…一番になって、お父様と暮らせるように頑張るから…お願いします…許してください…』

震えながらただ、母様の気が済むまで耐える男児は、まだ6歳か7歳のあどけない少年だった。

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『お母さま…泣かないで…僕が傍にいますから…だから、泣かないで』

少年は泣き暮らす母様を慰めていた。
時には抱きしめて眠る。

『お母さま。お父様の為に、辛いことを我慢しないでください…僕が何でも変わります…だから、お母さま。泣かないで』

『お母さま。お父様を思って泣くのはやめてください。僕も悲しくなります…僕ではダメですか？？僕ではお父様の代わりにはなりませんか？』