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狂い咲く花
第35章 三、桔梗 - 深い愛
どこから狂ったのだろうかと考える。
「俺か…」
全て俺が元凶か。
と思うと、無性に可笑しくなる。
俺さえ、あの時に間違わなければ美弥を傷つけることはなかったのだと。
「大丈夫か?」
先ほどまで、憔悴しきっていた葉月が急に笑い出し、父様は戸惑った。
美弥がいなくなり可笑しくなったのではないかと葉月を心配する。
「大丈夫ですよ。父さん。…美弥が見つかったら…俺は…」
そこで言い淀む。
自分がいなくなりさえすれば美弥と麻耶は平穏な暮らしに戻れるのではないかと思っても、忘れることなどできるはずがなかった。
「帰ったら…少し話そうか…」
何かを感じ取った父様は、葉月に優しく話す。
葉月はただ頷いて、家に足を進めた。
家に帰り着く頃には辺りは明るくなり始めていた。
しかし、美弥はまだ帰ってきてはいなかった。
「軽く食事の支度をしてくれ…」
父様の一言で母様は食事の支度を始め、葉月は父様に促され美弥がいた離れに向かった。
乱雑に敷いてある布団に違和感を覚える。
ただ寝るだけならこんなに乱れるはずはなかった。
「美弥の様子がおかしくなったのは一ヶ月前ぐらいからだ…本当に心当たりはないのか?」
父様は直球で葉月に問う。
最初に聞いた時は分からないと答えた葉月だったが、先ほどの美弥の言葉でその理由は何となく分かったが言える筈がない。
「俺か…」
全て俺が元凶か。
と思うと、無性に可笑しくなる。
俺さえ、あの時に間違わなければ美弥を傷つけることはなかったのだと。
「大丈夫か?」
先ほどまで、憔悴しきっていた葉月が急に笑い出し、父様は戸惑った。
美弥がいなくなり可笑しくなったのではないかと葉月を心配する。
「大丈夫ですよ。父さん。…美弥が見つかったら…俺は…」
そこで言い淀む。
自分がいなくなりさえすれば美弥と麻耶は平穏な暮らしに戻れるのではないかと思っても、忘れることなどできるはずがなかった。
「帰ったら…少し話そうか…」
何かを感じ取った父様は、葉月に優しく話す。
葉月はただ頷いて、家に足を進めた。
家に帰り着く頃には辺りは明るくなり始めていた。
しかし、美弥はまだ帰ってきてはいなかった。
「軽く食事の支度をしてくれ…」
父様の一言で母様は食事の支度を始め、葉月は父様に促され美弥がいた離れに向かった。
乱雑に敷いてある布団に違和感を覚える。
ただ寝るだけならこんなに乱れるはずはなかった。
「美弥の様子がおかしくなったのは一ヶ月前ぐらいからだ…本当に心当たりはないのか?」
父様は直球で葉月に問う。
最初に聞いた時は分からないと答えた葉月だったが、先ほどの美弥の言葉でその理由は何となく分かったが言える筈がない。